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アンプティ選手と健常者が一緒にプレー「4vs4 Sete CUP」

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4月7日、病気や事故で上肢や下肢を切断した選手が松葉杖をついてプレーするアンプティサッカーで、アンプティ選手と健常者が一緒にプレーする「第2回 4vs4 Amputee Sete CUP」が、大阪府大阪市の森ノ宮医療大学で行なわれた。アンプティチームに加え、義肢装具士チームや理学療法士養成校チーム、ジュニアユースチーム、個人参加など約100名が参加した。

 

障がいの有無にかかわらず参加できる場を

今回、2年ぶりとなった4vs4では、障がい者も健常者も一緒になって、1試合7分4人制でプレー。イベントを企画したアンプティサッカーチーム・関西セッチエストレーラスの代表・増田勇樹さんは、「アンプティサッカーをもっと多くの人に知ってもらうには、障がい者と健常者が一緒にプレーできる場が重要で、こうした多様性を感じられる機会が大切になると思っています。そういった思いを形にしたのが、今回のイベントです」と語る。

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交通事故により、小学校6年生で左足を切断した高校一年生の近藤碧(こんどうあお)君は、中学2年時よりアンプティサッカーをプレーし、昨年にはアンプティサッカー日本代表に選ばれるほどに成長。「大人相手にドリブルで駆け抜け、ゴールを決める瞬間がめちゃくちゃ楽しい。今回のようなイベントをたくさん開催してもらって、もっといろんな人にアンプティサッカーの楽しさや面白さが伝われば嬉しいです」と話してくれた。

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アンプティサッカーの普及へ

今回初めて参加した会社員の野口奈津子さんは、「以前、アンプティの試合観戦をした際、力強いプレーをされる選手の皆さんに感動しましたが、今回、実際に体験し、老若男女ハンディのあるなし関係なく、みんな一緒にプレーできるこの競技は素晴らしいものだと感じました」と話した。

増田さんは、「アンプティサッカー=障がい者スポーツという枠から外れ、アンプティサッカーというスポーツが確立できれば、競技人口も増え、手軽にプレーができて普及や強化に繋がると考えています。今回のように、大学や企業と協力することによって、地域貢献や社会貢献に繋げられると思っています」と語った。

 
会場では他にも、「ウォーキングサッカー」の体験会や医療関係者のアンプティサッカー講習なども行われた。5月18日~19日には、大阪市鶴見区の花博記念公園・鶴見緑地球技場でアンプティサッカーの全国大会「第六回 レオピン杯 Copa Amputee」が開催される。入場無料。

 

アンプティサッカーとは

30年以上前にアメリカの負傷兵が松葉杖をついてプレーするサッカーを、リハビリテーションとして始めたのが競技のきっかけ。フィールドプレイヤーは下肢の切断者で、日常生活でも使われる松葉杖(ロフストランド・クラッチ)をついてプレーし、GKは主に上肢を切断しており、片腕でプレー。フィールドプレイヤー6名とGK1名の7人制サッカー。日本には2010年に導入され、日本代表は2018年メキシコワールドカップで過去最高の10位を記録するなど、近年実力を伸ばしている。
【日本アンプティーサッカー協会ウェブサイト】