PEOPLE

西日本豪雨災害の支援に

soccermama01
2018年は、自然災害の多い年だったが、スポーツで子どもたちを元気づけようという活動も、多く実施された。サッカー元日本代表の橋本英郎選手と佐藤寿人選手が、ジュニアサッカーメディア『サカママ』と「西日本豪雨災害支援!チャリティサッカースクール in 広島」を開催した。
 

チャリティ活動に積極的なサッカー選手

1998年にガンバ大阪でプロキャリアをスタートさせた橋本英郎選手は、2019年シーズンよりJFLのFC今治でプレーする。2005年にはガンバ大阪のリーグ優勝に貢献、日本代表にも選出された。そんなベテランプレイヤーは、プロアスリートとしてのチャリティ活動に積極的だ。

家族ができ、子どもを持ったことをきっかけに、入院生活を送る子どもたちが思いきり笑い、遊ぶことができる環境をつくる活動を行うNPO法人へのチャリティを始めた。「現役のサッカー選手であるからこそ、力になれることや伝えられることがある。プロ選手でいる意味は、そういうところにもあるのかなと思っています」と語る。現在は、その活動を広げ、自らの背番号にちなみ、27種類、27回のチャリティー活動やイベントを行おうとしている。
 
そんな橋本選手が、西日本豪雨災害の支援を相談したのが、サッカージュニアを支えるママのための情報メディア『サカママ』のディレクター堤秀樹氏だった。「橋本さんとの出会いから、チャリティの相談を受け、ちょうど広島でサカママのイベントがあったので、それを上手く告知の場所として使い、広島でチャリティサッカースクールを行いましょうと提案しました」と語る。

 

プロ選手が支える側に

橋本選手は、開催場所が決まった後、ひとりのサッカー選手に連絡をした。日本代表に同時期に選出されて以来、家族ぐるみでの親交もある佐藤寿人選手である。佐藤選手は、2019年よりジェフユナイテッド千葉でプレーするが、2005年から2016年までサンフレッチェ広島でプレーし、広島の黄金時代を築いた選手のひとり。2007年、J2に降格が決まった際にも、翌シーズンチームに残留し、1年でのJ1復帰をいち早くサポーターに約束するなど、広島サポーターからは今もなお愛されている選手である。

佐藤選手は、西日本豪雨災害があった後、広島出身で、チームメイトの宮原和也選手(名古屋グランパス)と広島でがれきや土砂の撤去などを手伝うボランティア活動を行った。日本プロサッカー選手会では、毎年東日本大震災の復興を祈念したチャリティサッカーを行なっている。佐藤選手は、年々関心が薄くなりがちな中、活動を続けることで、現状を知ってもらうことに繋がると、選手会での活動からも実感している。

soccermama04

「プロでいることができるのは、いろいろな方が支えてくれているからこそ。僕らはいつも応援してもらい、支えてもらう立場にいるのですが、チャリティ活動を行うことで、少しでも支える側になりたいという思いもありますね」と語る。

 

子どもたちの笑顔をつくる

「西日本豪雨災害支援!チャリティサッカースクール in 広島」は、12月15日に広島市、16日に福山市で行われ、合わせて300人以上の子どもが参加した。佐藤選手は、第二の故郷ともいえる広島の子どもたちを応援するため、広島を離れている選手を中心に自ら声をかけた。2012、2013、2015年とサンフレッチェ広島で優勝を共にしたメンバーも多く参加。槙野智章選手や西川周作選手、森脇良太選手(いずれも浦和レッドダイヤモンズ)など、20名の選手が加わり、子どもたちと汗を流した。

橋本選手は、「シーズン中はできないことも多く、準備は大変でしたが、それだけ価値のある時間になりました。子どもたち、子どもたちの親御さんがこれをきっかけに元気になってくれたり、プロサッカー選手になりたいと思ったり、サッカーを好きになってくれたら嬉しいですね」と話し、佐藤選手は、「2日間でたくさんの選手も参加してくれましたし、何よりたくさんの子どもたちの笑顔を見ることができました。また、来年も継続して活動できるように、選手はそれぞれの場所で頑張りたいと思います」と語った。

soccermama05

今回は、サッカー教室のほか、多くの現役選手の協力を得て、着用ユニフォームやスパイクなどのチャリティオークションもサカママサイトで行った。集まった支援金は、広島テレビ 西日本豪雨災害「がんばろう!広島」募金委員会を通し、広島県の復興・復旧に役立つことになる。サカママのディレクター堤秀樹氏は、「親と子どもを結ぶサカママだからこそ、サッカーを通しての地域貢献活動として、できることがたくさんあると考えています。今後も子どもたちの笑顔のために、今回のような選手たちとのイベントや親子で楽しめるイベントなど、いろいろな取り組みを全国で開催していければと考えています」と教えてくれた。

 

サカママについて

サカママはサッカージュニアを支えるママのための情報メディア。子どもの「サッカーの上達」と「サッカーを通した健やかな成長」に役立つ情報を発信している。ウェブサイトのほか、年4回フリーペーパー『soccer MAMA』を発行。『サカママフェスタ』という体験型イベントも全国各地で開催している。
【サカママウェブサイト】