被爆地の女子高生と考えたピースユニフォーム

被爆70年となる2015年より、スポーツを通して平和を訴えるピースユニフォームをつくってきたヒュンメル。被爆75年となった今年は、広島文教大学附属高等学校の生徒たちとつくったピースユニフォームを発表しました。

被爆地の女子高生と考えたピースユニフォーム

被爆地・広島の女子高生が、平和を考えるきっかけとなるピースユニフォームをデザイン。広島文教大学附属高等学校サッカー部3年生のうち11名が所属するスポーツ・カルチャークラスの授業で、取り組みを進め、ヒュンメルからも担当者が授業に参加。1人ひとりが考えたユニフォームを集約し、ディスカッションを加え、戦争と平和をイメージしたデザインになりました。

サッカー部の松木俊博監督は、「広島文教大学附属高等学校では、広島市にある学校として、修学旅行などで海外の人たちとコミュケーションをする際には、広島の歴史や文化とともに、被爆地としての平和への想いについて伝える取組みを行っています。3年生が1期生となるスポーツ・カルチャークラスでも、そうした取り組みができないかと思い、ヒュンメルのピースユニフォームを知って、相談させてもらったところから始まりました」と経緯を語る。

文教ピースユニフォームプロジェクトは2019年9月にスタート。彼女たちが考え、授業で話し合いを重ねながらつくりました。その過程で、2015年よりピースユニフォームを発表してきたヒュンメルの担当者が授業に参加。広島文教のピースユニフォームって、どういうものだろうと考えてもらいました。コロナ禍もあり、最終デザインはリモートを使いながら決定し、平和を想う8月に着用することができました。

松木監督は、「何もないところから自分たちで考え、話し合い、専門家など大人とも話をしながら新しいものをつくっていく経験は、彼女たちが成長していくうえでも意味のある取り組みになると思いましたし、このユニフォームをつくったことを自信にしてもらえればな、と思っています」と付け加えた。

スズランの花言葉「再び訪れる幸せ」

記者会見では、4名の生徒が参加。キャプテンの広重柚那さんは、「今年はコロナ禍で練習でさえままならない中で悔しい気持ちでしたが、ピースユニフォームを完成させ、発表できたことを嬉しく思います」と話すと、副キャプテンの尾方彩羽さんは、「高校選手権や他府県のチームと試合をする際に着用し、プレーすることで、相手チームも一緒に平和について考えるきっかけになってくれれば」と今後について紹介。

同じく副キャプテンの西川姫花さんは、「原爆で広島の街が炎に包まれましたが、復興を遂げました。フィールドユニフォームのオレンジのグラデーションは、原爆の炎と今私たちが楽しむことのできる広島の美しい紅葉という、戦争と平和両方の意味を表現しました。また、ハトのイラストをシャツとパンツに大きく入れました。平和の象徴であるハトは通常オリーブをくわえているのですが、広島文教らしいものにしようと、学校のシンボルである『スズランの花』をくわえています」とデザインについて説明。

今回のプロジェクトリーダーの小田優里さんは、「お互いの意見を出し合いながら尊重し、ひとつのものをつくりあげるのはサッカーでも同じこと。今回学んだことを生かし、このピースユニフォームを着て、全国の舞台に立ちたいと思います。その時は、是非応援をよろしくお願いします」と想いを語った。

未来に平和を繋ぐピースユニフォーム

記者会見後には、その他の3年生も合流。平和公園に移動し、献花を行い、祈りを捧げました。学校に戻ると広島文教大学と初着用となるピースマッチを実施。試合後も、「まだ慣れないよね」、「文教らしくない感じ」、「かわいくて意味深」などとそれぞれ口にした彼女たちが、自分たちのつくったユニフォームに馴染んだ頃、冬の選手権でピースユニフォームを着用してプレーする姿を見られることができればな、と思います。

ヒュンメルは、ブランドミッション“Change the World Through Sport.”(スポーツを通して世界を変える)を体現するために、世界で最も平均寿命が短い国のひとつシエラレオネをサポートしたり、自由で平等な国際的イベント「コペンハーゲン2021」のオフィシャルパートナーを務めるなど、スポーツを通じて多様性を広げ、失われた可能性を取り戻すような取り組みをグローバルで続けています。

今回、日本で2015年より継続してきたピースユニフォームを広島文教の皆さんと共につくりあげることができました。スポーツと平和、またスポーツと教育という取り組みを経験した彼女たちが、未来に平和を繋いでいってくれることを期待しています。


広島文教大学附属高等学校

広島県広島市安佐北区にある私立の高等学校。 第二次世界大戦後の混乱の時代に、日本再生のために「誠に徹した堅実な女性」の育成することを目的に武田ミキにより創設された。2019年に、広島文教女子大学の共学化により、広島文教大学附属高等学校と改称。逞しく生き抜くことができる、自立した女性を育成する。

http://www.h-bunkyo.ac.jp/highschool/

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