ピースマッチ、「広島と長崎から平和への希望と夢を」

1945年8月6日午前8時15分に広島に、その3日後の8月9日午前11時2分に長崎に原子爆弾が投下されて77年。広島と長崎が共にスポーツから平和を発信する取り組みとして、ピースマッチ「HiFA 平和祈念 2022 Balcom BMW PEACE MATCH」が8月7日、広島広域公園第一球技場で行われた。

ヒロシマ・ナガサキの心

試合に先立って行われたピースセレモニーでは、広島市立伴中学校の川上彩陽さんと中本羽奏さんが、ウクライナの学生とオンライン交流したことなども踏まえ、「当たり前が壊され、尊い命が奪われる戦争を繰り返すことなく、平和への希望や夢を発信していきたい」と宣言。

ピースマッチの発起人でもある松井一實広島市長は、「国際社会では、国レベルでルールを守らない、戦争をする、ということが起きています。皆さんはルールを守りながら、実力を発揮してもらいたい。『ヒロシマ・ナガサキの心』を共有し、君たちの想いを繋げてほしい」と選手たちへフェアプレイと平和の発信を期待した。

今大会でエキップメントパートナーを務めるヒュンメルは、両チームのユニフォームを担当。広島は長崎の、長崎は広島の平和への願いを背負うデザインで、シャツ前面に太さの異なる斜線で「黒い雨」を表現。被爆時間を示した時計をイラストで入れ、原子爆弾が世界を一変させる恐ろしさを思い起こし、平和を祈念する強い想いを込めたものに。

広島と長崎が共に発信する意義

長崎県選抜は、試合当日の午前中に平和公園を訪問。長崎出身で、サンフレッチェ広島でプロキャリアもある大久保誠監督は、「8月6日と9日は重要な日。被爆者の語り手が少なくなっている中、自分で見たり感じたりする経験や、今回のピースマッチやユニフォームも、平和を考えるきっかけになる。平和への想いが強く心に染まった子どもたちに、世界のフィールドへ羽ばたいてもらいたい」と未来への期待を込めた。

広島の藤本祐二監督は、「多くの命がなくなった夏から77年。今、ロシアとウクライナが戦争をしていて、平和や自国の平和のために戦争をする矛盾について、考えさせられています。子どもたちには、フェアでひたむきにプレーしてほしい。あきらめないプレーが見ている人たちに伝わっていくと思う」と全力プレーを求めた。

長崎県サッカー協会の殿村育生会長は、「広島と長崎が共に発信することに意義がある。子どもたちには今の時代にサッカーができることから、平和の在り方を感じてもらい、イデオロギーに関わらず、サッカーやスポーツができる意味を感じてもらいたい」と世界でふたつしかない被爆地だからこそ、共にできることに意味を求めた。

スポーツを通した平和

広島県選抜の山﨑柊太選手は、「今日は平和を祈念する試合。ユニフォームにも重みがあった」と話すと、坂本謙祐選手は、修学旅行で長崎に行った経験も踏まえ、「身近な人から、伝えていきたい」と語った。

長崎県選抜の内田悠斗選手は、「長崎を深く知って、そこを広げていきたい。今回、広島平和記念公園を訪れ、当たり前に生活やサッカーができる日々がそうではないと改めて実感した。自分が返せるのはサッカーしかないので、そこを考えてプレーしていきます」と表情を引き締めた。

2015年、当時ユニフォームサプライヤーを務めていたV・ファーレン長崎と始めたピースユニフォームを、形を変えて継続してきたヒュンメル。ブランドミッション「Change the World Through Sport.(スポーツを通して世界を変える)」を具現化していくために、今後も継続して、平和の想いを繋げるための取り組みを行なっていきます。

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