Hummel Meets Paul Drux(パウル・ドルクス選手インタビュー)

ハンドボールプレーヤーインタビュー、第二弾はドイツ代表のPaul Drux(パウル・ドルクス)選手。

ハンドボールを始めたきっかけは?

レベルは高くありませんが、父がハンドボールをしていて、とても熱心でした。祖父もハンドボールをしていて、60年代の古いタイプのハンドボールを屋外でプレーしていました。

私はハンドボールが盛んな町、グンマースバッハで生まれました。この町では、ハンドボール、そして地元クラブのグンマースバッハ(VfL Gummersbach)が全てと言ってもいいくらいでした。私もサッカーのトレーニングに参加したことがありましたが、あまり面白く感じられませんでした。なので、初めからハンドボールでなければならなかったんだと思います。ハンドボールを初めて手にしたのは、3歳か4歳の頃でした。

 

初めての自分のコートとは?

私が育ち、両親が現在も住んでいる小さな町モリエンハイデでハンドボールを始めました。学校に隣接した体育館はとても小さかったのですが、コートが近くて、とても楽しかったですし、素晴らしかったです。グンマースバッハに12歳で入った時、古い歴史のあるホール「Eugen-Hass-Halle」でトレーニングしました。それはすごく嬉しかったですね。練習前にプロ選手のトレーニングを目の前で見ることができ、刺激を受けました。

 

次のコートは?

グンマースバッハにいたとき、ドイツユース選手権の準々決勝でドイツのフクセ・ベルリン(Füchse Berlin)と対戦しました。チームは10点以上の差で負けてしまい、面白くありませんでした。しかし個人では活躍していたので、フクセ・ベルリンのスタッフから、クラブを見学しにベルリンへ来ないかと誘われました。もちろん「はい」と答え、3日間ベルリンでチームと練習し、学校や街を見学しました。そして16歳でベルリンのアカデミーに移ることを決意しました。

家族や友人たちと離れる私にとって、そこが次の新しいコートでした。母はこの決断を喜んではいませんでしたが、父は私のキャリアにとって最善の方法だと分かっていたので、賛成してくれました。

ベルリンに行ってから最初の1年は本当に大変でした。ほとんどの週末、他の選手たちは家族の元へ帰っていましたが、私の家はベルリンから遠く離れていたので、たった一人でアカデミーに残らなければなりませんでした。16歳の私にとっては本当に辛い時期でした。しかし一人で生活をする経験ができたのは、良かったと思います。

どんな時に「Own the Court(コートを支配している)」と感じますか?

プレーの流れの中に自分がいて、次はどうしようとかあまり考えていないときに、そんな感覚を得ることがあります。直感的に動き、誰も自分たちを倒すことができないという感覚です。そんなときは、全てのプレーが良くて、自信に満ち溢れています。

昨年、マクデブルクでEHFカップ決勝戦が行われましたが、対戦チームのファンが多く、私たちチームにとって厳しい環境でした。しかし私たちは、誰も自分たちが勝つと確信し、とても良いプレーをすることができました。そのとき、私たちはコートを支配していたんだと思います。

 
フクセ・ベルリンのホームコートでプレーするときは、どうですか?

9,000人ものファンが観戦できる大きなホームアリーナがあります。とても素晴らしい雰囲気で、試合に勝つためのモチベーションを私たち選手に与えてくれます。それも、信じられないくらいにたくさん。

昨年1月に開催された2019IHF世界男子選手権もホーム(ドイツ)でプレーできて、本当に良かったです。大会の最初から最後まで、素晴らしい雰囲気で、それは驚くべきものでした。ドイツ代表の結果は4位とそれほど良くはありませんでしたが、ベルリンとケルンどちらの会場も素晴らしい雰囲気で、ケルンの試合では、19,000人ものファンがドイツ代表チームを応援してくれました。その光景は深く心に焼き付いています。
 

「コートを支配する」ため、適したシューズとは?

適したシューズに必要なものは色々ありますよね。コート上で良い感覚を得るためには自分に合ったシューズを履く必要があります。足にフィットしなければなりませんし、快適で安全でなければなりません。また爆発的な動き出しや次のアクションへの切り替えも必要なので、重すぎてもいけません。それにもちろん、見た目もカッコよくないとね。

Paul Drux / パウル・ドルクス

1995年2月7日生まれ 192cm 106kg
ドイツ・グンマースバッハ出身のハンドボール選手。ハンドボール・ブンデスリーガの強豪フクセ・ベルリンに所属し、2014年にDHBカップ、2015年と2018年にEHFカップで優勝。2014年ドイツ代表チームに初選出。2016年リオ大会では銅メダルを獲得。2019年にドイツとデンマークで共催された世界ハンドボール選手権にも出場するなど、ドイツ代表の中心メンバーとして活躍。

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