チャリティ個サルイベント「ポジティブでインクルーシブな社会に」

725日、ヒュンメルのアンバサダーである女子フットサルの臼杵深徳選手が、収益すべてを知的障がい児・者サッカースクールNPO法人トラッソスに寄付するチャリティ個サルを開催した。土砂降りの雨で開催自体も危ぶまれたが、雨は直前に上がり、会場スタッフのコート整備のおかげで、約5万円をトラッソスに届けることができた。

できないことができるように

日中からの雨でキャンセルもあり、都内のフットサルコートに集まったのは、16名の参加者と臼杵選手、それにトラッソスの吉澤昌好さんと藤沼光輝さん、ヒュンメル関係者の20名ほど。トラッソスマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保つよう気を配りながら、イベントはスタートした。

イベントから時を戻すこと2週間。臼杵選手と吉澤さんは、「はじめまして。それからありがとう」と挨拶を交わした。コロナ禍でスポーツがやりづらい中、吉澤さんが感じている大変さと子どもたちの笑顔に再会できた喜びが共有され、臼杵選手は、知的/発達障がい児・者がどのような視覚で暮らしているのかの擬似体験も行った。

スマホの撮影画面越しに、対面する吉澤さんが立てた人差し指を触ろうとして、上手く掴めなかった臼杵選手。「知的/発達障がい児・者の中には、こういう風に距離感のズレを感じるている人が多くいます。最初、トラっ子(スクール生の愛称)たちもボールを止めることができなかったんですよね。言いたくても言えなかったり、伝わりにくいこういうことが、日々のトレーニングで改善できる。体育館に入られなかった子が、入れるようになって褒められる体験をする。自信がつくと、行動も変わっていくんですよね」と吉澤さんは目を細める。

続けていくことで広がりを

雨上がりの夕方、ボール回しなどで体をほぐし、4チームに分かれてゲームを行ったチャリティ個サルイベント。日頃から臼杵選手や彼女の所属するバルドラール浦安ラス・ボニータスを応援している人やトラッソスのスクール生の保護者など、SNSでイベントを知ったという人たちが、トラッソスマスクを着用し、汗を流した。

1時間以上かけて会場に来たという男性は、「今回はチャリティだと知って参加しました。プレーすることで、こんな時期に、少しでも誰かの力になれるなら嬉しいです。好きなブランドのウェアで揃えて、楽しんで試合できました」とコメント。

寄付を受けることになった吉澤さんは、「知的障がい児・者が地域で暮らしていくためには、まずは彼らを知ってもらうことが重要です。この春にはヒュンメルさんと一緒に、3年目となるインクルーシブサッカーイベントを予定していました。コロナのために中止になりましたが、子どもたちも一緒に楽しめる機会を来年こそはと思いますし、今回のイベントも含めて、続けていくことで広がりを見せていくと思います」と語った。

誰もが楽しめるスポーツ

チームスポーツやイベントの在り方や価値を改めて考えさせられることになった、このコロナ禍。「こんな時期だからこそ、笑顔を絶やさずに」とコミュニケーションもプレーも楽しんだ臼杵選手。「本当に開催してよかったです。基本的に寄付って、“give”に偏りがちで、参加者も幸せっていうイベントは、なかなかないと思うんです。でも、今回は蹴ることが好きな人たちが集まったので、楽しんだことがチャリティに繋がるという結果になりました」

「今回のイベントで、トラッソスという団体があること、知的障がい児・者の現状などを知ってもらうきっかけづくりとして、架け橋になれたことも嬉しく感じています。次は、私が実際にトラッ子たちとの交流やインクルーシブフェスタに参加し、障がいの垣根を超えたスポーツを体験することで、伝えられることも変わってくる気がします」と、今後も継続して取り組みを行っていきたいという。

「いろんな人がいて、どんな人もスポーツを楽しむことができるよ、って伝えたいですし、こういうイベントには女の子が少ない気がしているので、女の子でも参加したいなって思える企画ができたらと思っています」と笑った。雨のち晴れ、で行われたイベント。スポーツの繋がりで社会を少しでもポジティブでインクルーシブな場所に。ヒュンメルは、ブランドミッション“Change the World Through Sport.”(スポーツを通して世界を変える)を体現するために、臼杵選手やトラッソス、アンプティサッカーとの取り組みを継続していきます。

臼杵深徳
1996年9月17日生まれ、東京都出身。バルドラール浦安ラス・ボニータスに所属。2018-19シーズン、夢を追うためパティシエから選手に復帰した女子フットサル選手。

【OFFICIAL Instagram】@mnr.hummel


PHOTO/Yuka ARAI

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