11月30日に熊本で開幕した女子ハンドボール世界選手権も大会が大詰めとなり、1次リーグ各グループの上位3チームずつが進んだメインラウンドが12月11日に終了した。そこで1次リーグに引き続いて、ハンドボール界唯一の月刊専門情報誌『スポーツイベント・ハンドボール』に、メインラウンドを振り返ってもらった。このレポートを読めば、女子ハンド世界選手権の残りの6試合がより楽しめます。
（テキスト・写真：「スポーツイベント・ハンドボール」）
メインラウンドグループ1
オランダ、ノルウェー、セルビア、韓国、ドイツ、デンマークの6チームで争われたメインラウンド1組は、初戦でいきなり1次リーグAグループ首位のオランダがドイツに、Bグループ首位の韓国がセルビアに敗れ、実力伯仲であることがうかがえる試合が続出した。
この厳しいグループを抜け出したのはオランダとノルウェーだった。オランダはデンマークにも敗れて2敗を喫したが、ノルウェー、セルビアに1次リーグで勝利しており、このラウンドで韓国を破って3勝で勝点6を確保。ノルウェーは1次リーグ最終戦でオランダに逆転で敗れていたものの、世界屈指のセンタープレーヤー・オフテダルらを中心に、メインラウンドでは優勝候補の一角としての力を見せ、デンマーク、韓国、ドイツすべてに勝利した。
また、東京オリンピックの世界最終予選に進める6枠が用意されており、今回の世界選手権の上位2～7位（優勝チームは東京オリンピック出場権を得る）にそれが与えられる方式になっている。そのため、3位セルビアは確定、4位ドイツは13日の7-8位決定戦に勝利することが条件に。一方、最終戦の残り30秒でセルビアに追いつかれて5位となったデンマークは、オリンピック出場を逃すことになった。
メインラウンドグループ2
われらが日本女子代表・おりひめJAPANが勝ち進んだメインラウンド2組も混戦に。日本と同じ1次リーグDグループ首位のロシアは、手堅い守備とサウスポーエース・ヴャヒレワを中心とした多彩な攻撃で、メインラウンドでも全勝。唯一の黒星なしで準決勝へと進んだ。2位争いは最終戦までもつれたが、勝てばよかったスウェーデンがモンテネグロに敗れたため、1次リーグCグループ首位のスペインが進出を決めた。
おりひめJAPANは、初戦でモンテネグロ、第2戦でスペインと対戦した。どちらの試合も、前半はリードを奪われながら、後半に積極的なディフェンスから主導権を奪い返し、あわや勝利も、という期待を抱かせる試合になった。しかし、そのペースを保つことができず、ミスが出て突き放されるという展開も同様で、2敗を喫して最終戦へ。
日本vsルーマニア
大観衆の声援に後押しされ、唯一第1回大会から出場し続けているヨーロッパの強豪・ルーマニア戦に臨むと、試合開始から終始ペースを握り続けた。ルーマニアがエース・ネアグを温存していたのは確かだが、レギュラーメンバーも多数出場している中で手にした37－20という大差での勝利は、おりひめJAPANの大きな自信になったに違いない。
12/13準決勝、12/15決勝戦
そして、明日12月13日には準決勝と5-6位決定戦、7-8位決定戦が行なわれる。準決勝はロシアvsオランダ、ノルウェーvsスペインの2カード。ロシア対オランダは、ここまで唯一の全勝で盤石の戦いぶりを見せるロシア有利の声が多いが、オランダは爆発力のあるGKヴェスターに当りが出ると、2大会ぶりの決勝進出はけっして不可能ではない。
もう1つのノルウェー対スペインは、どちらもベンチ入りする16人全員を使い、60分間質の高いゲームを見せるチーム同士の対戦に。その中で中心となるノルウェー・オフテダル、スペイン・カブラルがどのようにチームを勝利に導くかに注目したい。大会も残すところあと3日。準決勝まで勝ち上がってきた4チームによる、熾烈で激しい世界一をかけた争いを、ぜひその目に焼きつけてほしい。
2019女子ハンドボール世界選手権大会
熊本県で2019年11月30日から12月15日の期間、開催される第24回世界女子ハンドボール選手権。2年に1回開催されるハンドボールの国際大会で、今大会の優勝チームには2020年に開催される東京オリンピックおよび次回大会の出場権が与えられる。日本を含む24ヶ国が出場。
【大会公式サイト】https://japanhandball2019.com/
スポーツイベント・ハンドボール
ハンドボール界唯一の月刊専門情報誌『スポーツイベント・ハンドボール』。女子ハンドボール世界選手権は、大会前からの密着取材を続け、ウェブサイトやツイッターで速報を配信している。専門誌ならではの解説や展開が見もの。
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