平和祈念ユニフォームをアウェイで着る意味

3年目となる平和祈念ユニフォームは、原爆の悲惨さとともに、スポーツのできる平和の尊さを感じられるようにという思いを込めた夏限定のスペシャルユニフォーム。今年は初めてアウェイの地で平和祈念ユニフォームを見てもらい、「ナガサキを最後の被爆地に」という思いの一端を感じてもらうことができました。

平和を考える2週間

今年の平和祈念ユニフォームは、折り鶴とタスキをメインモチーフに、今までにはない爽やかな水色のシャツになりました。平和の象徴である折り鶴をベース柄に、左肩から右裾にかけては、原爆の悲惨さと平和の尊さを次世代につないでいく気持ちを表す折り鶴によるタスキを浮かび上がらせました。そして、シャツ前面のカラフルな折り鶴が、未来に向けて飛び立つ様子をデザインしています。

そんな平和祈念ユニフォームを着用したゲームは、広島原爆の日の前日から終戦記念日の翌日までで、まさに平和をより深く考える2週間となりました。そして、8/16は、平和祈念ユニフォーム3年目にして初めてのアウェイゲームでの着用となりました。

16才で被爆し、60年以上平和活動を続けられた谷口稜曄(たにぐちすみてる)氏は、今回のユニフォームとアウェイでの着用マッチについて、亡くなる前に次のコメントを寄せてくれていました。

「V・ファーレン長崎の選手たちが、この平和祈念ユニフォームを着て試合をしてくださること、多くの人に見てもらえることを大変うれしく思います。サッカーファンの皆さんと共に平和を祈ります。今年7月、国連122カ国の賛成で核兵器禁止条約が採択されました。平和を願う私たち市民の声で、核兵器廃絶を実現させましょう」


平和祈念ユニ、初のアウェイゲーム

キャプテンの村上佑介選手は、今シーズン、ケガで出遅れたことも影響し、出場機会が限られています。その中でも、キャプテンとして、ベテランとして、まずはチームに貢献できることを考えて行動しているといいます。

「試合に出なくてもやれることはあります。雰囲気づくりなんかは大切ですね。出場すれば、監督の意図することを理解し、それを体現しなくてはベテランの意味がありません。どちらにしても、自分の立場を理解しながら行動していかなければなりません。平和祈念ユニフォームを着て試合に出られなかったことは、とても残念ですが」

村上選手は移籍してきた昨シーズン、選手代表のひとりとして、平和祈念ユニフォームを長崎原爆資料館に寄贈しました。平和祈念ユニフォーム着用マッチでは、ベンチ外の試合が続きましたが、3試合目は、後半途中に交代出場。

「昨年まではホームゲームでしか平和祈念ユニフォームを着られませんでしたけど、今年はアウェイで着ることにより、より一層人の目に触れたんじゃないかと思います。ましてや、バトルオブ九州。1万3000人を超える観衆が集まったレベスタで着られたので。長崎だけでなく福岡の方々にも平和について考えていただける良い機会になったと思います」と語る。

スポーツが平和に対してできることのひとつのあり方として、欧米のメディアでも広く紹介されてきた平和祈念ユニフォームですが、今年はイギリス、デンマーク、スペイン、ドイツでの発売も決まっており、間もなくヨーロッパでもリリースされます。

V・ファーレン長崎/V-Varen Nagasaki

V・ファーレン長崎は、有明SCと国見FCが統合した有明SCを前身とし、2005年に現監督の高木琢也氏をテクニカル・アドバイザーに迎え、V・ファーレン長崎に改称。2009年より日本フットボールリーグ(JFL)で戦い、2012年にJFL初優勝。2013年シーズンよりJ2で戦う。V・ファーレンのVは、ポルトガル語で勝利を意味するVITO’RIA(ヴィトーリア)とオランダ語で平和を意味するVREDE(ブレーダ)の頭文字。それに航海を意味するオランダ語VAREN(ファーレン)を合わせた造語。日本初の国際貿易港である長崎から平和への発信と、県民の夢と希望を乗せ、勝利への航海を意味します。

【OFFICIAL SITE】http://www.v-varen.com/

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