プロラクロッサー山田幸代インタビュー

海外組。ある種強いきらめきも感じさせるこの言葉は、サッカーを中心にスポーツの世界ではよく使われる言葉だ。日本よりも競技レベルの高い海外リーグでプレーしている日本人選手。サッカーや野球はもちろん、ラグビーや自転車のロードレースなど、様々なチームスポーツで、日本人選手が世界を舞台に活躍している。その中でも非常に稀な存在がラクロスの山田幸代選手だ。彼女はラクロスの強豪国オーストラリアで2008年よりプレー。プレーシーズンの違いを利用し、半年はオーストラリアで、もう半年は日本でプレーしている。1年中ラクロスに励む山田選手は海外組であり、国内組でもある。

1982年8月18日生まれ 滋賀県出身
日本初のプロラクロッサー。2007年9月にプロ宣言し、2008年から女子ラクロス界では世界トップクラスのオーストラリアリーグに加入。春か ら秋にかけては、オーストラリアのWilderness、秋からは日本のalfaでプレー。2013年4月には、母校・京都産業大学の広報大使に就任。
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オーストラリア7年目にして初優勝!

オーストラリアで7年目のシーズンを迎えた今年、32才となりチームでもベテランとなった山田選手に課せられることは多い。チームのキャプテンとして、メンバーをまとめ、ゲームメイクをし、流れを作る。また選手が流れにのれない時には選手を流れにのせることも、監督から山田選手だけに託されたことだ。南オーストラリア州リーグの決勝戦は、山田選手の所属するのWildernessが7連覇中の絶対王者Brightonに17-11で勝利。3得点6アシストとチームを牽引した山田選手は決勝戦のMVPにも選ばれた。

「7年間目標にしてきた優勝。この6年間勝てなかったBrightonに勝てた。すごい嬉しかったのですが、この優勝をオーストラリアに来てからずっとお世話になっている家族のみなさんの前でできたのが、また良かったですね」

2013年のカナダワールドカップに向けて、オーストラリア代表になるチャレンジをした山田選手だったが、代表ジャージを纏うことはできなかった。その大きな挫折も「ラクロスで世界一になる」という大きな夢が山田選手を勇気づけた。今シーズン、いい結果を残すことができたことについては、大きな変化はないものの、「意識的には変に気持ちを張る部分がなくなったと思います。自分らしくプレーをする、という気持ちが大きくなりましたね。良い意味で開き直ってやれたのが、いい結果につながったんだと思います」

日本一を目指して

オーストラリアで達成した初優勝も束の間、日本に帰国した山田選手は、チーム3試合目となるBRISK戦で日本での初戦を迎えた。その後4試合戦い、西日本ラクロスリーグ、および全日本クラブ選手権で優勝。チームとして初めて社会人チャンピオンとして、大学生と日本一を争う全日本選手権を迎えることになった。「調子や体調が良くない試合もありましたが、私がいいプレーができなくても、チームが一丸となってプレーしている。チームワークという意味でSCHERZOは最高のチームだと感じています」

全日本選手権の準決勝は大学選手権2位の関西学院と対戦。シーソーゲームを8-5で制し、決勝戦が明後日12/21(日)に行われる。対戦相手は「めっちゃ強いんですよ」と警戒する大学チャンピオンの明治大学。誰よりも長いラクロスシーズンを送る山田選手が戦う今シーズン最後の試合。「日本であとどれぐらい現役でプレーできるか分かりませんし、2014年、ラクロスを最高な形で終われるように、おもいっきり楽しんで勝ちにいきます。オーストラリアの決勝戦でもそう思いましたが、自分はチームのために存在する選手なので、チームのために自分の仕事をするだけです。頑張ります!」と力強く語ってくれた。オーストラリアと日本。二つの最高のチームで最高の結果を出すという偉業の達成へ。オーストラリアの強い日差しで輝いた笑顔が、東京の寒空の下、見られるに違いない。

■第25回ラクロス全日本選手権大会 女子決勝戦  2014/12/21(日) 14:30
@東京都(江戸川区)・江戸川区陸上競技場 NLC SCHERZO vs 明治大学

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