MY EXPLORATION vol.09 Masahiro Tuchiya(Beatnik Edition)

現代日本の都市生活で、ビートニク精神を持つ人物をフィーチャーしたMY EXPLORATION Beatnik Edition。2回目のインタビューは野外音楽フェス<Rainbow Disco Club>の主催者である、土谷正洋(ツチヤ マサヒロ。以下、ツチヤ)さん。

現在、国内の多くの催し事のタイトルには”フェス”、“フェスティバル”という単語が多用されているが、こと、音楽ではいち早くこの単語は浸透しており、現在に至るまで、音楽を軸とするフェスの数は増え続け、一般層へも広く認知されている。様々な形態の音楽フェスが増えたことで、フェスフリークは自分たちにとって、どのような音楽とロケーションでなら、より高揚する体験を得られるのか模索している。
2010年に本格的に始動したダンスミュージックフェスティバル<RAINBOW DISCO CLUB(以下、RDC)>では、年々訪れる人が増え続け、子ども連れの家族も多く訪れるなど、年齢や性別を問わず幅広い層から支持され、さらには海外のファンまでも巻き込んでいる。

遊びに意味なんてないけど、その先に現在がある

「<RDC>を始める以前は、とにかく毎日、遊びほうけていました。国内外問わずに数え切れないほどのフェスやレイヴに足を運んでいて、その時間の中で、現在、一緒に<RDC>を主催している仲間たちにも出会うことができました。とにかく、遊ぶことって大事だと思うんです。意味なんてないかもしれないですけど、自然な状態だからこそ受け止められるものがあるかもしれないですし、自分は遊び続けたその先に現在がありました」

「自分は<RDC>を始動する以前に<RAFT TOKYO>というイベントをしていましたが、その当時にCarlos GibbsとLaurent Novatinという、ふたりの外国人が、前衛的なアートとダンスミュージックを融合させた<RED BOX PROJECT>というイベントをやっていて、一緒にパーティーをやるようになりました。その後、より発展して何かをやりたいよね。という話が<RDC>の始まりになります。さらに、ちょうどいいタイミングで晴海客船ターミナルを見つけることができて、ふたつのクルーで大きく舵を切ることになりました」

Beyond Space and Time

第一回となった<RDC>は東京都心部で開催された。世界基準を意識したラインナップ。箱志向のような雰囲気を屋外へと運び出したようなイベントになるのではと話題になり、初回から4千人を動員した。

RAINBOW DISCO CLUB 2010 PHOTO by Jiroken

「東京生まれなので、やはり都内でやってみたいという想いが強くありました。あの時は、都市で野外パーティーを表現したいと自身が求めていたとも思います。初めての晴海は何もかもが大変でしたね。色々なイメージを持って迎えたつもりでしたが、あんなに多くのお客さんが来るとは想像もしていなかったので…用意していたつもりの完成図はすべて吹っ飛びました。笑」

「その大変さを知っても、現在の<RDC>のように『3日間開催したい』という気持ちがありました。都心から東伊豆のオープンエアへ。ロケーションに変化はありましたが、コンセプトは当時から現在でも変わりません。“Beyond Space and Time(時空を超えた旅をする)”。このコンセプトは自分たちがパーティーを行う上で、とても大切なコンセプトであり、想いですね」

このままでは終われない。 "意地"と"未来のため"に

初開催の<RDC>は大成功で幕を閉じたが、多くの期待の中で迎えた2回目の2011年は、東日本大震災により、多くのフェスと同じく開催を自粛することとなった。

また、その翌年にはJamie Jonesの出演などと、国内外のトップアーティストの招聘にも成功していたが、開催日が近づくと、当日の天候は大雨の予報。前日まで開催の方向を模索していたが、天候は好転することはなく、すべての人たちの安全を考慮して、中止のアナウンスを発表した。その数時間後には、都内の名だたるクラブが有志となり、急遽開催地代替対応にてアーティストとお客さんを受け入れ、オーディエンスが多く集い、音楽メディアを中心に大きな話題を呼んだ。

「あの当時が一番イカれていたと思います。まともな思考ではなかったですね。色々と考えれば何もできなくなる。それでもやりたいんですよ。このままじゃ終わりたくなかった。『まだ、絶対にこの先がある』。そう全員で信じて、一丸となって立ち向かっていくしかありませんでした。その翌年に開催を決断した理由は、“意地”と“この先の未来のため”でした」

何度も心は折れそうになったけど

2014年、<RDC>は東京という都市開催から伊豆の自然の中へと開催場所を移したが、開催を重ねるごとにその規模は大きくなっている。幾度の困難を乗り越えた後にも、ツチヤさんは新たな挑戦へと踏みだしている。

「湾岸エリアはオリンピック関連の開発が決まったので、晴海客船ターミナルが使えなくなってしまったことが一番の理由ですが、ちょうど伊豆に会場を見つけることができました。このふたつのタイミングが重なりました。気付けば、ずっとやりたかったオープンエアへの方向転換になり、自然と導かれたような感じです。もちろん楽ではありませんでしたが…(笑)。それでも、後ろから押し支えてくれる仲間がいるからできることだと思います。自分だけでは絶対に無理です。これまで、何度も心が折れそうになっていますから」

音楽という共通言語

さらに、海外のダンスミュージックイベントが国内開催されることが多い昨今、<RDC>は2016、2017年にはオランダのアムステルダムにて開催。日本から海外へと飛び出した。

Amsterdam PHOTO by Atsushi Harada

「アムステルダムに拠点を置くRUSH HOUR(レーベル/レコードショップ)のDJ・レーベルオーナーのAntalが持ちかけてきてくれました。まだ、海外で開催をすることは期待をしていなかったので本当に嬉しかったですし、ものすごく光栄でした。日本で生まれたパーティーを、そのままヨーロッパに持っていけるなんて、やっている側からすれば最高ですよね。RUSH HOURのみんなと一緒にやれることは、ものすごくありがたいことです」

海外開催となれば運営方法、言葉…挙げればきりがないほど、国内での開催とは勝手が違うはずだ。それでも海外公演は2回ともチケットをソールドアウトするなど成功を収めた。

「あらゆることが違うし、もちろん難しいことは沢山あります。だけど、それは日本でも同じです。それ以上に、思いは一緒というか…。感動や体験を共有している感覚の方が強くて、そのことが強く記憶に残っています。2回ともチケットはソールドアウトになったことはビックリましたね。自分たちがこれまでやってきたこと、その思いが集う人たちや空間へと届いていると感じることができたことは感動的であり、感無量でした。言葉や文化。色々な違いがあっても、自分たちは音楽という共通言語持っている。身をもってそう感じました」

RAINBOWの意味は虹の色ではなくて、そこに集まる人を指している

ファッション・音楽に対する消費者の物価的価値観。”トレンド”や”ジャンル”のサイクルは、国内外問わず、とても流動的である。こと、国内でも音楽フェスはニッチなものではなく、一般的なものとなったが、その中で<RDC>は10年を迎える。

「歳を重ねたことで変わったことは沢山あると思いますけど、ひとりの人間としてパーティーを続けているので、あまり自分のことはわからないですね。それでも一緒にやってきた仲間たちの成長は本当にすごいなと思います。パーティーをすることの根本は変わっていませんが、ひとつひとつの完成度は、回を重ねるごとに上がっていますね」

音楽を通じて、感性の動く楽しさ、体験を提供する。ツチヤさんが大切にしている信念や想い。そして、喜びを感じる瞬間。<RDC>だからこそ意識することがある。

「あらゆる人たちを受け止めていきたいという気持ちです。虹のようにすべての色をひとつにまとめたようなそんな空間。<RDC>が、そうなれたらいいなと、常に意識していますね。自分はとにかく、お客さん、仲間も含めて、みんなの笑顔が見える時が最高の喜びです」

「<Rainbow Disco Club>のRAINBOWの意味は、虹の色ではなくて、そこに集まる人を指しています。お子様連れやペット連れ。今はキッズエリアを広く用意して、自然の中での開催なので夜は音を出さないように配慮もしています。世代。性別。職業。色々な変化があると思いますが、これからも楽しめるということに対してのレンジは広げていたい。伝わったり、体験したりすること。それはきっとこれからも、自分ではなくて、集うみんなから見えてくるものだと思います」

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PROFILE


 

Japanese festival for timeless music and arts.<Rainbow Disco Club>の仕掛け人。遊び人。

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