ダイバーシティ講演会
スニーカーで世界は変えられる
@Kyoto Seika University 7th Jul, 2017

スニーカーを通して多様性を広げ、共生社会を目指すプロジェクト「hummel PRAY」を昨春から冬にかけて4度実施しました。7月に発売した第2弾スニーカーは、性的指向や性自認に関する差別をなくしていくためLGBTにフィーチャーした「PRAY with LGBT」。販売から1年が経過した七夕の夕方に、京都精華大学のダイバーシティー推進センターと共同で「スニーカーで世界は変えられる」と題した講演会を実施しました。

PRAY with LGBT

hummel PRAYは、4回連続のプロジェクトで、マイノリティといわれる人たちと手を組み、限定スニーカーの収益全てをパートナーの課題解決につながるように活用してもらっています。スニーカーという日常のアイテムをきっかけに、それぞれの違いに気づき、違いを知り、“違いを受け入れる”ことを学び、体験することで、多様性を認め合える社会を目指しています。

「PRAY with LGBT」と題した「hummel PRAY」第2弾は、世界で初めて同性カップルのパートナーシップが認められたデンマークのブランドとして、日本における取り組みとして実施しました。スニーカーの収益で実施したのは、京都精華大学ダイバーシティー推進センターとの講演会。ブランドの取り組みやhummel PRAYについて紹介した後、LGBTを含めたすべての子どもが、ありのままの自分でオトナになれる社会を目指すNPO法人「ReBit」より、LGBTの社会における課題や価値について語ってもらいました。

自分らしく生きていける社会

「セクシャリティとは、性のあり方全般を指す」と話してくれたのがNPO法人ReBitの教育事業担当者。彼女は、「性別は男と女の2つではなく、4つの要素の組み合わせで決まってくるもの」だといいます。「セクシャリティは、身体の性・心の性(自分のことをどう思っているか)・好きになる性・表現する性(服装など社会的にどうふるまうか)の4つを軸としており、LGBTとひとくくりにされていますが、好きになる性のマイノリティがLGB(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル)であり、体の性と心の性が違うと思っている人がT(トランスジェンダー)になります」と説明しました。

社会がセクシャリティやLGBTについて考えていく必要性や意味については、「これが性的な話や恋愛の話だけではなく、進路や就職、結婚や老後といった人のアイデンティティや将来に関することだからです」と話しました。「LGBTだからということで、正しくポジティブな情報が得られなかったりすると、自分のことを好きでい続けられなくなる。また、メディアで笑いの対象にされていることを見ることで、自分って笑われるべきものなのか、となってしまう。自分を守るために、うそをついて生活をしないといけなくなり、コミュニケーションが難しくなる。でも、性が多様であり、そうしたことが認められている社会においては、LGBTではない人たちも、自分も多様な中の一人なんだと感じ、自分を大切に、自分が自分らしく生きていけるようになるのではないかと思います」とLGBTを通して多様性が認められる社会の価値を話してくれました。

ファッションモデル・ベンジャミン

そして、最後に登壇したのが、「いろんな人のためになるなら」とゲイであることをテレビ番組で告白したファッションモデルのベンジャミン・ペリー・ボズウェル氏。彼は、日本を中心に、アメリカ、香港、タイなど世界で活躍するファッションモデルで、最新の仕事としては、ABCマートのTV CMにも出演しています。

アメリカ人の父とフランス人の母を持ち、宗教的に厳しい環境で育ったベンジャミンは、大学入学の際に20才で上京した。街でスカウトされて、学生をしながらモデルもするようになった彼は、「自分のことは分かっていたんですけど、普通に生活していればいいかな、と思ってゲイであることは隠していた」と語る。キャンパスでは保守的な学生が多く、疎外されるようになり、『オカマ野郎』と言葉による暴力を受けることもあった。しかし、「ファッション業界には、自由な人が多くて、ゲイやレズビアンの友達もできて、学校とのギャップが激しく、自分がどこにいればいいか分からなくなったんですね。それで結局休学してしまうことになりました」

「自分がゲイであることは、仲のいい友達はみんな知っていますし、別に言わなくても分かる人もいるだろうな、とオフィシャルとして発信する必要はないと思っていました。そんな時、仲良くさせてもらっている女優・タレントのMEGUMIさんから、『ファッション関係でゲイの人をテレビ局で探しているみたいだけど』と言われたんです」

違うからこそ面白い社会

男っぽいイメージの仕事が中心だったため、クライアントが嫌がるんじゃないかな、とカミングアウトすることを1ヶ月悩んだ末に、「自信をつけよう」と、やることを決断。TV出演後も、仕事への影響も感じることがなく、『何で今まで言わなかったの?』と逆に聞かれることも。「仕事をしていると、ヘアメイクさんやスタイリストさんから、『彼女いるの?遊んでるんでしょ?』なんていつも言われるんですよね。流せばよかったんですが、いちいち嘘をつくのがストレスで。実際、新しい質問がきたんですが(笑)」

「休学した4年で変われたんです。自分らしくなれたんです。カミングアウトしたことで、すごい楽になりました。ほんとの自分を周りに見せることができたし、話しやすくなった。それに小さな嘘をつく必要がなくなった。でも、モデルという職業で恵まれているな、と思います。だから、絶対カミングアウトしましょう、とは言えません。よく状況を見て、自分の気持ちを考えて、楽になれるんじゃないかな、と思っているのなら、したらいいと思います」

「今、住んでいる東京の街にはほんとにいろんな人がいろんな形で生きています。そんな人たちと話すと勉強になるし、すごい励まされます。でも、みんなが同じだったら、同じ経験をして、同じ考えを持って、何も面白くなくなっちゃいます。違うから面白い。よく周りの人の意見や経験を聞いて、そこから勉強できたらいいな、と思います。多様性があるからこそ、可能性が広がる面白さがあると思います」と学生に対してメッセージを送ってくれました。