昨シーズン、スペインフットサル1部リーグ・Umacon Zaragoza(ウマコンサラゴサ)で戦った佐藤亮(さとうとおる)選手が、2014/2015シーズン、古巣・シュライカー大阪に復帰。スペインでプレーした1シーズン、日本代表への定着、と経験値を高めてきたFIXOが、Fリーグスタートから7連覇を続ける名古屋オーシャンズへの打倒を誓う。Fリーグ2014/2015 powered by inゼリーは、6/27(金)、国立代々木競技場第一体育館で開幕します。


1985年8月4日生まれ、新潟県出身、180cm/70kg 長岡ビルボードFCでサッカーを始め、帝京長岡高等学校、順天堂大学と進む。大学時代にフットサルと出会う。関東リーグ1部FUGA MEGURO(現・フウガすみだ)の主将としてチームを率い、フットサル全日本選手権で、Fリーグ2連覇中の名古屋オーシャンズを下し、優勝。シュライカー大阪を経て、2013年9月、スペインフットサル1部リーグ・Umacon Zaragoza(ウマコンサラゴサ)へ移籍。2014/2015シーズンは古巣シュライカー大阪へ復帰。ポジションはFIXO。
【OFFICIAL BLOG】http://ameblo.jp/sato-toru/

世界で戦うために

日本代表がアジア2連覇を飾ってから1ヶ月余り。代表の一員としてベトナムで戦った佐藤亮選手だが、決勝戦はベンチに入れなかった。代表16名のうち、2名はベンチ外となるためである。「優勝はすごく嬉しかったんですが、個人的には課題が残りました」と佐藤選手は語る。スペインで過ごすことで、今まで以上に、フットサルと、そして自分自身の体と向き合ってきたが、日本よりもハードなバス移動や、代表とチームの往復という今までにない難しさもあった。そして、今シーズン、佐藤選手は、シュライカー大阪への移籍を決意した。

シュライカー大阪の監督には、2014/2015シーズンより、木暮賢一郎氏が就任した。『グレ』の愛称で親しまれた日本フットサル界のレジェンドの一人である。今春、新シーズンの構想を練っていた木暮監督は、スペインにいる佐藤選手に電話をかけた。『世界で戦えるフットサルを大阪で実現していくのに力をかして欲しい』と。かねてから木暮監督と親交があった佐藤選手は、彼の目指すフットサルに心を魅かれる。かつて同じ選手として『日本のフットサルが世界で戦うためにはどうすればいいか』について話したことが思い出された。「世界と対等になるためには、スペインでもブラジルでもなく、日本のやり方がある、と思うんですよね。スペインでプレーしてきて、やっぱりそれは強く感じていて。日本人なりのやり方を見つけないと、世界とは戦えないんじゃないかな、と」

スペインか日本か

今シーズンも継続してスペインでプレーしたい気持ちは大きかった。条件は余り良くはならなかったが、残留する選択肢もあった。ただ、『世界に通用する日本のフットサルを作ろう』と言ってくれた木暮監督の言葉が胸に残った。2年後に向けてどうするべきか、葛藤が始まる。

佐藤選手の最大の目標は、あくまでも2年後のコロンビアにある。横浜FCの三浦知良選手が出場して話題となった2012タイ大会。日本フットサル史上初のベスト16となったこの大会を超えるのが、2年後に課せられたフットサル日本代表のミッションだ。「日本が世界でベスト8以上を目指すその大会で、まずはメンバーに入ること。そのためにはチームでいいパフォーマンスを続けることですよね」

5月に開催されたベトナム大会では、アジア連覇を達成したものの、佐藤選手は思ようにプレーができなかったという。パフォーマンスが上がっていかなかったためだ。スペインで過ごすことで、今まで以上に、フットサルに向き合ってきたが、10数時間はざらというハードなバス移動や、代表とチームの往復という今までにない難しさがあった。ベテランの域に入り、体格も決して恵まれていない佐藤選手にとっては、コンディション維持やフィジカルケアは、欠くことのできない要素である。2年間をかけて、それを高めていく必要があった。そして、自分を必要としてくれる場所へ。高く評価してくれる指揮官とともに、新しいフットサルを作っていく。心はサラゴサから大阪へと傾いていった。

Fリーグ2014/2015シーズン開幕

来週に控えたFリーグ開幕。今シーズンの戦いをフットサルライターの本田好伸氏はこう展望する。「ヴォスクオーレ仙台とフウガドールすみだの2チームを加えた今季は例年以上の混戦が予想されますが、7連覇中の王者の牙城を崩すのは簡単ではありません。今季も『名古屋の8連覇か、他チームが阻止するのか』が最大の焦点となります。その中で際立つのは、昨季2位のバサジィ大分、オーシャンカップで準優勝のペスカドーラ町田、それに今季から木暮賢一郎監督が指揮を執るシュライカー大阪です。

特に木暮監督が目指す『日本人に適合するスタイル』は興味深い。日本代表やスペインリーグ、名古屋で培った経験から導き出された、監督なりの“答え”を、選手がいかに体現できるか。具体的には、プレス回避とポゼッションを高めて隙を突く攻撃を重視するようですが、これには的確に状況を捉える判断力と、瞬時に行動に移す決断力が欠かせません。それをプレーで示すのは簡単なことではないので、選手たちのプレーに注目しています。その意味では、スペイン帰りの佐藤亮選手が鍵を握るのではないでしょうか。元々、守備のスキルが高い上にスペインや代表で経験を積んできましたし、木暮監督の志向をよく理解している勤勉な選手です。闘争心や勝者のメンタリティーも兼ね備え、チームを先導していけるはずです。かつてFUGA MEGURO(現フウガドールすみだ)、大阪で全日本選手権を個人的に連覇した“持っている”選手でもあり、復権を誓うチームの救世主になるのではないかと思います」

進化を続けるFIXO

今シーズン、佐藤選手が履くのは、ヒュンメルのハイエンドモデル・アピカーレⅢ α-PG。「スペインの選手って、スニーカーみたいに分厚いソールの重たいシューズを履いてプレーしてるんですよね。僕が履いているのとは、グリップと重量が明らかに違っていて、ある意味衝撃的でした。チームメートからも、『それいいシューズだな』なんて言われたんですが、『ヨーロッパのトップ選手がシューズにまで気を配るようになったらどうなるんだろう』という気持ちもありましたね。僕が履くシューズは、柔らかいボールタッチで、踏ん張りが効き、ターンの速さをサポートしてくれるモデル。衝撃吸収力がアップしているので、腰や膝など、疲労が軽減されているのもいいですね。ワンシーズンという長丁場を戦っていく頼もしい相棒です」

木暮監督は現役時代、名古屋オーシャンズで4度の優勝を経験している。「監督は名古屋でプレーしてきたこともあり、その強みや弱みをよく知っていると思うし、名古屋に勝つイメージも持っていると思うんです」。5月末に開催されたプレシーズンマッチ・Fリーグ オーシャンカップ2014では、大阪は準決勝で名古屋と対戦。前後半終わり、3-3。延長戦の末、敗れたものの「やろうとしているフットサルが感じられたし、自分が入ってプラスαをすれば、もっといい試合になるんじゃないかな、と思えたんですよ。40分、監督の言うフットサルを体現できるかどうか、だと思っています」

6/27(金)から3日間、Fリーグは、12チームが同一会場で戦うセントラル開催となり、全チームが2試合を戦う。佐藤亮選手が所属するシュライカー大阪は、6/27(金)にフウガドールすみだ戦、翌6/28(土)は王者・名古屋オーシャンズ戦。「金曜日の夜と土曜日の昼の2試合。タフな開幕になりますね。開幕までにコンディションを整えて、スペインで経験してきたことをコートで表現したいです。今シーズン、Fの歴史を変えるべく、打倒・名古屋を果たし、そして、木暮監督が掲げる世界に通用するフットサルを実現できるよう、プレーしていきたいと思います」。スペインでの1年を経て、進化を続けるFIXOから目が離せない。